丹後ちりめんとは

丹後ちりめんとは
丹後ちりめんとは

京都府北部の丹後半島の一帯をさす地方で生産された「シボ」を特徴とする優れた白生地です。
素材は、絹、レーヨン、ポリエステルがありますが、(株)山藤では、絹やレーヨンを素材とした、縮緬白生地を生産しております。
一般に雑貨屋さんで販売されてる、2000円前後の風呂敷は、ほとんどが、レーヨン、ポリエステル素材の品です。
シボとは
丹後縮緬シボ

シボは、ふつう1メートルあたり、3000回前後の強い撚り(より)をかけたヨコ糸(緯糸)で織り上げ、精錬することによって糸が収縮し、撚りがもどり、そのときできるよじれを利用してシボをつくります。
上の縮緬のシボは、右撚りの糸と、左撚りの糸を交互に織ることによって、作られています。
このシボは、ちりめんの命です。
このシボによって、 絹のもつ光沢をやわらかくおさえ、光にふくらみを持たせ、しなやかな感触と、しっとりとした風合いを引き出し美しく色鮮やかな発色性にすぐれた白生地ができ上がります。
丹後ちりめん

ほんの一シーンですが、熟練した女性の手で約3,000本から5,000本の経糸(たていと)が繋がれていきます。 機械化されたとはいえ、美しい丹後縮緬を製作する過程において、このような手作業がやはりなくてはならない工程です。

丹後縮緬が高級といわれる所以

まず、使用する絹糸に節(ふし)が無く、太さが一定の生糸の格付けの中で一番グレードの高いものを使用するということ。
一定の巾、と長さを織物にする絹糸の使用量が、格段に大量に使用する、ということ。 世界中に絹織物はたくさん存在しますが、数倍??約30倍の絹糸を使用しているので、厚手の絹織物となります。 これは、日本人が絹に対する想いが深いゆえに、このような贅沢な織物を考案したのではないかと思われます。
織物の技術に関して、特に撚糸技術が群を抜いて高度であるということ。特に、強撚糸とよばれる撚糸技術は、織物に様々な表情を持たせることもでき、豊かな絹織物を織り成すことを可能にしました。

※ 昨今、織物の技術もコンピューター制御の織機で製織されるものがほとんどである中で、丹後の織物は、あくまでも手作り、天然の糸をそのまま織物にすべく、テンションをかけずに、あらゆる工程を人間の手で行っています。
多くの工程を経て作られる、丹後縮緬の特質とは、

しわになりにくく、しなやかで優美です。
シボがあるので、肌触りの感触がすばらしい。
染付けが良く、美しい模様や柄に染められます。
強撚糸織物で、耐久力があって丈夫です。
染め直しがきくので、再生できて経済的です。

(丹後織物工業組合の”丹後縮緬”より)

余談になりますが

丹後地方の絹織物の歴史は古く、約1200年も前の奈良時代に、丹後の国鳥取で織られた絹織物が聖武天皇に献上(739年)され、現在でも正倉院御物として残っています。現在の「丹後ちりめん」は、約280年前の江戸時代の享保5年(1720)、絹屋佐平治らが京都西陣より持ち帰った技術をもとに創織した「ちりめん」が始まりとされており、その後瞬く間に丹後地方全体に広まりました。そして峰山藩・宮津藩がちりめん織りを保護助長し、丹後の地場産業として根付くことになったのです。これに加えて、丹後地方の気候風土は、冬の季節風は雪をともなってきびしく、秋から冬にかけて吹く「うらにし」と呼ばれる(丹後地方ではこう呼んでいます)季節風は、「弁当忘れても傘忘れるな」と言われるぐらい湿気をともなった雨が降ったり、止んだりする日が続きます。この丹後地方の気候風土が、良質の水、適度な湿度をもたらし、今日現在まで丹後ちりめんを育んできたのです。

今現在も丹後産地は我が国最大の絹織物産地であり、永年にわたり培った丹後ちりめんの技術を活かし、和装・洋装問わず、織物素材総合産地として、織り技術の向上は勿論のこと、織物の機能性・市場性を高めるための研究・開発を行なっています。

そして丹後産地は 約1,000社の織物業者の連携のもと 「最高級の織と染の総合産地」としてさらなる飛躍をめざしています。

毎年 京都、大阪、東京、横浜、熊本など 各地にて 職人展を開催しております。近くにお越しの節には是非お立ち寄り下さいませ。

作業1:糸繰り
丹後ちりめんとは
[写真左:かせ・右:糸わく] 繭からひいた生糸(原 糸)がかせ(写真左)になって工場へ送られてきます。
かせを糸わく(写真右)に巻き取ります。
この時、天然の生糸の風合いを保つため、やさしくひっぱらずにそっと巻き取 ります。
この作業を糸繰り(いとくり)といいます。
作業2:整経
キャンドルデザイナー・マーニーセイディさん
[写真左:千切り(ちきり)・右:整経] わくに巻き取った糸を一定の張力と長さで整え、織 物の幅に必要な本数(3000 ??5000 本)にして
千切り(写真左)というものに30??50 反分の経糸(たていと)を巻き上げます。
これを整経(写真右)と言います。
作業3:ぬき合わせ
ヌキ 「ぬき」とは、緯糸(よこいと)のことです。
糊の付いた原糸を8本、14本、18本、22本、30本、42本、52本 、80本と合わせます。
この合わせる本数の違いが、縮緬の厚み、又は、シボの大きさを変えていきます。
作業4:撚糸
撚糸
[写真:八丁撚糸機] 八丁撚糸機(写真)を使って、数百年来変わらない同じ撚り方法でよこ糸(緯糸)に撚(よ) りをかけていきます。
この撚糸機も、すでに120歳を越えました。
作業5:撚糸
製織
[写真:製織] いわゆる機織り(ハタオリ)です。
昔から変わらない手織機(テバタ)を少し改良した程度の織機で、丹念に、糸を傷つけないように、
熟練した女性の手で織り上げていきま す。
ちなみに1台の織機で1反(風呂敷 68cm 幅×24m)織るのに8時間くらいかかります。
作業6:精練
織り上げられた生地は、まだゴワゴワしています。
ですから、昼夜、石鹸 を中心とした薬品を加えた熱湯の中で、
セリシン(生糸についているまわりのタンパ ク質や不純物)が洗い落とされ、取り除かれます。
こ の作業を精練と言います。

この精練が終わり、乾燥させると、美しい光沢をもった反物ができあがります 。
以上、専門的に言えば、約十過程にのぼる工程を、簡単に6つに分けて紹介しましたが、 だ いたいおわかりいただけたでしょうか?

2000年の夏、写真家の黒田光冶さんが「伝統産業を撮る」というテーマで、
(株)山藤を撮影していかれました。
ここに、ご紹介致します。
※小さな写真をクリックして頂ければ大きな写真が表れます
機場(はたば) 山と空を背景に 糸繰り 整経機にかけられたボビン 角度をかえてみれば
ヌキ(緯糸)を焚くところ 浮かんだヌキ糸 整列! 気ままに浮かんだヌキ糸 風の通る道
八丁撚糸機 光と影 主です 風の抜ける道 工場風景
ジャガード取り付け作業中 ジャガード取り付け作業中 うまくいくかな これがジャガード織り織機 ジャガード
紋紙(右)とジャガード織り織機 只今機織中 手に持っているのは”ひ” トラック出入り口 こちらが表、山藤織物工場
(株)山藤の動画ができました。

”KyotoZEN”さんが作ってくださいました。
京都の”ものづくり”を大事に伝える”KyotoZEN”さんのホームページはこちら
http://www.kyotozen.com/
山藤織物工場